豆鉋と小刀を使い、木目を見ながら力の加減で少しずつ持ち手を形成していきます。

ユーモアを持って作られ、大人から子どもまで手にした人が楽しい気分になれるもの。

その先にある、ものを使うことで生まれる時間や出来事をつくりたいと考えています。それらを意識しながらアイディアを形にするだけではなく素材を考え、素材が活きるように細かくそれぞれのもののディテールを決めていくようにしています。屋号のsanspenserとは造語で、「思考を止める」「考えない」というような意味です。さっきまで頭の中をいっぱいにさせていたことをほんの一部でも一時的に忘れている時、非日常を感じる経験がありました。それは本を読んでいる時、音楽を聴いている時、珈琲を飲んでいる時など必ずしも特別なことしている時ではありませんでした。つくりたいと考えている時間や出来事とはそう言った、日常の中や延長にある自由を感じられる「時」であり、本や音楽や珈琲のような存在の「もの」です。